徒然草174|小鷹に良き犬、大鷹に使ひぬれば、小鷹に悪くなると言ふ・・・
真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
💭ポイント
鷹狩りの犬が大に付き小を捨てる例を挙げ、人も仏道という真の大事を知れば、他の世俗の雑事(小事)は捨てて道に専念すべきであるという道理を説く。

🌙現代語対訳
小鷹を使った狩りに良い犬も、
小鷹に良き犬、
大鷹を使った狩りに使うようになると、
大鷹に使ひぬれば、
小鷹の狩りでは役に立たなくなる言います。
小鷹に悪くなると言ふ。
大きなものに仕えると、小さなものを捨てるという道理は、
大に付き小を捨つることわり、
本当にその通りです。
まことにしかなり。
人間の営みは数多くある中で、
人事多かる中に、
真理の道を楽しむことほど奥深いものはありません。
道を楽しぶより気味深きはなし。
これこそが、本当に大切なことなのです。
これ、まことの大事なり。
一度、この道の存在を知り、これを志した人が、
一度、道を聞きて、これに志さん人、
他のどんな雑事を捨てずにいられるでしょうか。
いづれのわざか廃れざらん。
どんなことをしようとするでしょうか。
何ごとをか営まん。
愚かな人であっても、
愚かなる人といふとも、
賢い犬に劣らないでしょう。
賢き犬の心に劣らんや。
📚古文全文
小鷹に良き犬、大鷹に使ひぬれば、小鷹に悪くなると言ふ。大に付き小を捨つることわり、まことにしかなり。
人事多かる中に、道を楽しぶより気味深きはなし。これ、まことの大事なり。一度、道を聞きて、これに志さん人、いづれのわざか廃れざらん。何ごとをか営まん。
愚かなる人といふとも、賢き犬の心に劣らんや。