古文で読みたい

古典を読みたい人が、古典にアクセスするための本です

徒然草224|陰陽師有宗入道、鎌倉より上りて、尋ね詣で来たりしが、まづさし入りて・・・

真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。

💭ポイント

陰陽師が筆者に、無駄に広い庭を畑にして食物や薬草を植えるべきだと忠告し、筆者もそれに賛同する。

徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース

🌙現代語対訳

陰陽師の有宗入道という人が、鎌倉から京都にきて、

陰陽師おんみょうじ有宗ありむね入道にゅうどう鎌倉かまくらよりのぼりて、

私を訪ねてくれました。

たずもうたりしが、

家に入るなり、

まづさしりて、

「この庭が、無駄に広いというのは、

「このにわのいたづらにひろきこと、

嘆かわしいことで、あるべき姿ではありません。

あさましく、あるべからぬことなり。

物事の道理をわきまえた人は、何かを植えることに努めるものです。

みちものは、うることをつとむ。

細い道を一本だけ残して、

細道ほそみちひとのこして、

あとはすべて畑にしなさい」と、忠告してくれたのです。

みなはたけつくたまへ」と、いさめはべりき。

その通りで、少しの土地でも

まことにすこしのをも

無駄にしておくのは、

いたづらにかんことは、

何の利益にもならないことです。

やくなきことなり。

食べる物や、薬草などを植えておくべきです。

もの薬種やくしゅなどをくべし。

📚古文全文

陰陽師おんみょうじ有宗ありむね入道にゅうどう鎌倉かまくらよりのぼりて、たずもうたりしが、まづさしりて、「このにわのいたづらにひろきこと、あさましく、あるべからぬことなり。みちものは、うることをつとむ。細道ほそみちひとのこして、みなはたけつくたまへ」と、いさめはべりき。
まことにすこしのをもいたづらにかんことは、やくなきことなり。もの薬種やくしゅなどをくべし。