真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
💭ポイント
狐は人に食いつくことがある。寝ている足を食われた舎人や、三匹の狐に襲われ刀で応戦した法師の話を挙げ、その実例を示している。

🌙現代語対訳
狐は、人にかみつくものです。
狐は人に食ひつくものなり。
堀川の屋敷では、ある職員が寝ている間に、足を狐にかまれました。
堀川殿にて、舎人が寝たる足を狐に食はる。
仁和寺で、夜、本堂の前を通りかかった身分の低い法師に、
仁和寺にて、夜、本寺の前を通る下法師に、
狐が三匹飛びかかって、かみつきました。
狐三つ飛びかかりて、食ひつきければ、
法刀を抜いて、これを防ぐうちに、
刀を抜きて、これを防ぐ間、
狐二匹を突き刺しました。
狐二疋を突く。
一匹は刺し殺し、二匹は逃げました。
一つは突き殺しぬ。二つは逃げぬ。
法師は多くの箇所をかまれましたが、命に別状はありませんでした。
法師はあまた所食はれながら、ことゆゑなかりけり。
📚古文全文
狐は人に食ひつくものなり。
堀川殿にて、舎人が寝たる足を狐に食はる。
仁和寺にて、夜、本寺の前を通る下法師に、狐三つ飛びかかりて、食ひつきければ、刀を抜きて、これを防ぐ間、狐二疋を突く。一つは突き殺しぬ。二つは逃げぬ。法師はあまた所食はれながら、ことゆゑなかりけり。