古文で読みたい

古典を読みたい人が、古典にアクセスするための本です

徒然草218|狐は人に食ひつくものなり。堀川殿にて、舎人が寝たる足を狐に食はる・・・

真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。

💭ポイント

狐は人に食いつくことがある。寝ている足を食われた舎人や、三匹の狐に襲われ刀で応戦した法師の話を挙げ、その実例を示している。

徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース

🌙現代語対訳

狐は、人にかみつくものです。

きつねひとひつくものなり。

堀川の屋敷では、ある職員が寝ている間に、足を狐にかまれました。

堀川殿ほりかはどのにて、舎人とねりたるあしきつねはる。

仁和寺で、夜、本堂の前を通りかかった身分の低い法師に、

仁和寺にんなじにて、本寺ほんじまへとほ下法師しもほふしに、

狐が三匹飛びかかって、かみつきました。

きつねびかかりて、ひつきければ、

法刀を抜いて、これを防ぐうちに、

かたなきて、これをふせあひだ

狐二匹を突き刺しました。

きつね二疋にひきく。

一匹は刺し殺し、二匹は逃げました。

ひとつはころしぬ。ふたつはげぬ。

法師は多くの箇所をかまれましたが、命に別状はありませんでした。

法師ほふしはあまたところはれながら、ことゆゑなかりけり。

📚古文全文

きつねひとひつくものなり。

堀川殿ほりかはどのにて、舎人とねりたるあしきつねはる。

仁和寺にんなじにて、本寺ほんじまへとほ下法師しもほふしに、きつねびかかりて、ひつきければ、かたなきて、これをふせあひだきつね二疋にひきく。ひとつはころしぬ。ふたつはげぬ。法師ほふしはあまたところはれながら、ことゆゑなかりけり。