古文で読みたい

古典を読みたい人が、古典にアクセスするための本です

徒然草166|人間の営みあへるわざを見るに、春の日に雪仏を作りて・・・

真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。

💭ポイント

人の命は春の雪のように儚いのに、人々は過剰な計画に夢中だ。それは溶ける雪仏に飾り堂を建てるようなものだと説く。

徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース

🌙現代語対訳

人々が取り組んでいることを見ていると、

人間にんげんいとなみあへるわざをるに、

春の日に雪で仏像を作り、

はる雪仏ゆきぼとけつくりて、

そのために金銀、宝石でできた飾りを用意し、

そのために金銀きんぎん珠玉しゅぎょくかざりをいとなみ、

お堂まで建てようとするのに似ています。

だうてんとするにたり。

準備がすべて整うのを待って、

そのかまへをちて、

無事に安置することができるでしょうか。

よく安置あんちしてんや。

人の命も、存在しているように見えても、

ひといのちありとるほども、

足元から消えていくことは、

したよりゆること、

雪のようなのですが、

ゆきのごとくなるうちに、

仕事をして次のステージを待つことが、たいへん多いのです。

いとなみまつること、はなはだおおし。

📚古文全文

人間にんげんいとなみあへるわざをるに、はる雪仏ゆきぼとけつくりて、そのために金銀きんぎん珠玉しゅぎょくかざりをいとなみ、だうてんとするにたり。そのかまへをちて、よく安置あんちしてんや。
ひといのちありとるほども、したよりゆること、ゆきのごとくなるうちに、いとなみまつること、はなはだおおし。