真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
💭ポイント
遍照寺の法師が慣らした鳥を殺し、村人に捕らえられた。法師は殺した鳥を首にかけさせられ、投獄されたという話だ。

🌙現代語対訳
遍照寺に雑用係の坊さんが、
遍照寺の承仕法師、
池にいる鳥を日頃から飼い慣らしていました。
池の鳥を日ごろ飼ひつけて、
お堂の中にまで餌をまき、
堂の内まで餌をまきて、
戸を一つだけ開けておいたところ、
戸一つ開けたれば、
数えきれないほどの鳥が中に入り込んだ後、
数も知らず入りこもりける後、
自分もお堂に入って、閉め切って、
おのれも入りて、たてこめて、
鳥を捕まえては殺していた様子が、
捕らへつつ殺しけるよそほひ、
すごい音が聞こえてきたのを、草刈りの子供が耳にし、
おどろおどろしく聞こえけるを、草刈る童聞きて、
他の人に知らせたので、村の男たちが、集まって入ってみると、
人に告げければ、村の男ども、起りて入りて見るに、
大雁が大騒ぎしている中に
大雁どもふためきあへる中に、
坊さんがいて、打ちつけたり、ねじり殺していました。
法師まじりて、打ち伏せねぢ殺しければ、
このお坊さんを捕まえ、そこから役所へと引き渡しました。
この法師を捕らへて、所より使庁へ出だしたりけり。
殺した鳥を、首にかけさせられて、牢屋に入れられました。
殺すところの鳥を、頸にかけさせて、禁獄せられにけり。
基俊大納言という方が、長官を務めていた時のことだそうです。
基俊大納言、別当の時になん侍りける。

📚古文全文
遍照寺の承仕法師、池の鳥を日ごろ飼ひつけて、堂の内まで餌をまきて、戸一つ開けたれば、数も知らず入りこもりける後、おのれも入りて、たてこめて、捕らへつつ殺しけるよそほひ、おどろおどろしく聞こえけるを、草刈る童聞きて、人に告げければ、村の男ども、起りて入りて見るに、大雁どもふためきあへる中に、法師まじりて、打ち伏せねぢ殺しければ、この法師を捕らへて、所より使庁へ出だしたりけり。殺すところの鳥を、頸にかけさせて、禁獄せられにけり。
基俊大納言、別当の時になん侍りける。