古文で読みたい

古典を読みたい人が、古典にアクセスするための本です

徒然草153|為兼大納言入道、召し捕られて、武士どもうち囲みて・・・

真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。

💭ポイント

武士に捕らえられていく為兼大納言を見て、日野資朝卿はそれを不名誉とせず、後世への良い思い出として「羨ましい」と評した。

日野資朝は後に倒幕計画が露見し佐渡で処刑された。

徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース

🌙現代語対訳

京極為兼が逮捕されて、

為兼ためかね大納言だいなごん入道にふだうられて、

武士たちが周りを取り囲み、

武士ぶしどもうちかこみて、

六波羅探題(京都の治安維持機関)へと連行していくと、

六波羅ろくはらきければ、

日野資朝卿が、一条大路のあたりで、この様子を見て、

資朝卿すけともきやう一条いちでうわたりにて、これをて、

「ああ、なんと羨ましいことか。後世に残る思い出としては、

「あなうらやまし。にあらんおもいでで、

これこそが理想的な姿だ」とおっしゃったそうだ。

かくこそあらまほしけれ」とぞはれける。

📚古文全文

為兼ためかね大納言だいなごん入道にふだうられて、武士ぶしどもうちかこみて、六波羅ろくはらきければ、資朝卿すけともきやう一条いちでうわたりにて、これをて、「あなうらやまし。にあらんおもいでで、かくこそあらまほしけれ」とぞはれける。