古文で読みたい

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徒然草094|常磐井相国、出仕し給ひけるに、勅書を持ちたる北面あひ奉りて・・・

真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。

💡ポイント

良かれと思って下馬した武士が、勅書の作法に反すると解雇された。作法の厳しさを示す逸話。

徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース

🌙現代語対訳

常磐井相国(太政大臣西園寺 実氏)が、宮中に行く途中、

常磐井相国ときはゐのしやうこく出仕しゅっしたまひけるに、

天皇の勅書を運ぶ北面の武士に出会い、その武士は馬から下りました。

勅書ちょくしょちたる北面ほくめんあひたてまつりて、うまよりりたりけるを、

相国は、後日、「あの北面の武士は、天皇の勅書を持ちながら、

相国しょうこくのちに、「北面ほくめんなにがしは、勅書ちょくしょちながら

下馬した者である。そのような者が、

下馬げばはべりしものなり。かほどのもの

どうして帝にお仕えできようか」と、言ったため、

いかでかきみつかうまつりそうろふべき」ともうされければ、

その武士は職を解かれてしまいました。

北面ほくめんはなたれにけり。

「勅書を、馬に乗ったまま、高く掲げて見せるべきだ。

勅書ちょくしょうまうえながら、ささげてたてまつるべし。

馬から下りてはならない」ということでした。

るべからず」とぞ。

📚古文全文

常磐井相国ときはゐのしやうこく出仕しゅっしたまひけるに、勅書ちょくしょちたる北面ほくめんあひたてまつりて、うまよりりたりけるを、相国しょうこくのちに、「北面ほくめんなにがしは、勅書ちょくしょちながら下馬げばはべりしものなり。かほどのもの、いかでかきみつかうまつりそうろふべき」ともうされければ、北面ほくめんはなたれにけり。
勅書ちょくしょうまうえながら、ささげてたてまつるべし。るべからず」とぞ。