真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
💭ポイント
屏風や調度品は持ち主の品性を表す。高価で珍しい物より、古風で品が良く、大げさでない物が良いと説く。

🌙現代語対訳
屏風(びょうぶ)や障子(しょうじ)に描かれた絵や書かれた文字が、
屏風・障子などの絵も文字も、
無骨で下手な筆遣いで書かれていると、
かたくななる筆やうして書きたるが、
見苦しいという以上に、その家の主のセンスが悪く感じてしまいます。
見にくきよりも、宿の主のつたなく思ゆるなり。
一般的に、持っている調度品によって、がっかりさせられることがあるでしょう。
おほかた、持てる調度にても、心劣りせらるることはありぬべし。
だからといって、高級品を持てというわけではありません。
さのみ良き物を持つべしとにもあらず。
「傷んだら困るから」という理由で、品がなく見苦しくしてしまったり、
「損ぜざらんため」とて、品なく見にくきさまにしなし、
「珍しいだろう」と、余計な飾を付け加えて、ごてごて飾り立てたりする、そういうことを言っています。
「珍しからん」とて、用なきことどもし添へ、わづらはしく好みなせるを言ふなり。
古風な趣がありながら、決して大げさでなく、
古めかしきやうにて、いたくことことしからず、
高価でもなく、品の良いものが、よいです。
費もなくて、物がらの良きがよきなり。
📚古文全文
屏風・障子などの絵も文字も、かたくななる筆やうして書きたるが、見にくきよりも、宿の主のつたなく思ゆるなり。
おほかた、持てる調度にても、心劣りせらるることはありぬべし。さのみ良き物を持つべしとにもあらず。「損ぜざらんため」とて、品なく見にくきさまにしなし、「珍しからん」とて、用なきことどもし添へ、わづらはしく好みなせるを言ふなり。
古めかしきやうにて、いたくことことしからず、費もなくて、物がらの良きがよきなり。