真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
ポイント
知ったかぶりは見苦しい。本当に優れた人は、たとえ専門分野でも口が重く、尋ねられない限り自分から語らない。

🌙現代語対訳
何事においても、精通している様子を見せないのが良い。
何ごとも入りたたぬさましたるぞよき。
立派な人は、知っているからといって、得意げな顔で話したりするだろうか。
よき人は、知りたる事とて、さのみ知り顔にやは言ふ。
田舎から出てきたような人ほど、
片田舎よりさし出でたる人こそ、
あらゆることに知ったかぶりをして、口を挟みたがるものだ。
よろづの道に心得たるよしの、さしいらへはすれ。
そのせいで恥をかくこともあるが、
されば、世に恥づかしきかたもあれど、
自分を「すごい」と思っている様子は、見苦しい。
みづからも、「いみじ」と思へる気色、かたくななり。
本当に熟知している分野については、必ず口が重くなり、
よくわきまへたる道には、必ず口重く、
尋ねられない限りは話さないことこそ、素晴らしい。
問はぬ限りは言はぬこそいみじけれ。
📚古文全文
何ごとも入りたたぬさましたるぞよき。
よき人は、知りたる事とて、さのみ知り顔にやは言ふ。片田舎よりさし出でたる人こそ、よろづの道に心得たるよしの、さしいらへはすれ。
されば、世に恥づかしきかたもあれど、みづからも、「いみじ」と思へる気色、かたくななり。
よくわきまへたる道には、必ず口重く、問はぬ限りは言はぬこそいみじけれ。