古文で読みたい

古典を読みたい人が、古典にアクセスするための本です

徒然草079|何ごとも入りたたぬさましたるぞよき。よき人は・・・

真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。

ポイント

知ったかぶりは見苦しい。本当に優れた人は、たとえ専門分野でも口が重く、尋ねられない限り自分から語らない。

出典:「徒然草絵抄」京都大学付属図書館蔵

🌙現代語対訳

何事においても、精通している様子を見せないのが良い。

なにごともりたたぬさましたるぞよき。

立派な人は、知っているからといって、得意げな顔で話したりするだろうか。

よきひとは、りたることとて、さのみがおにやはふ。

田舎から出てきたような人ほど、

片田舎かたいなかよりさしでたるひとこそ、

あらゆることに知ったかぶりをして、口を挟みたがるものだ。

よろづのみち心得こころえたるよしの、さしいらへはすれ。

そのせいで恥をかくこともあるが、

されば、はづづかしきかたもあれど、

自分を「すごい」と思っている様子は、見苦しい。

みづからも、「いみじ」とおもへる気色けしき、かたくななり。

本当に熟知している分野については、必ず口が重くなり、

よくわきまへたるみちには、かなら口重くちおもく、

尋ねられない限りは話さないことこそ、素晴らしい。

はぬかぎりははぬこそいみじけれ。

📚古文全文

なにごともりたたぬさましたるぞよき。
よきひとは、りたることとて、さのみがおにやはふ。片田舎かたいなかよりさしでたるひとこそ、よろづのみち心得こころえたるよしの、さしいらへはすれ。
されば、はづづかしきかたもあれど、みづからも、「いみじ」とおもへる気色けしき、かたくななり。
よくわきまへたるみちには、かなら口重くちおもく、はぬかぎりははぬこそいみじけれ。