真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
ポイント
後七日の御修法で武士が警護するようになった由来と、一年の吉凶を占う神聖な儀式で武力を用いることへの穏やかでないという筆者の考えが述べられています。

🌙現代語対訳
後七日の御修法(宮中の真言院で新年の国家安泰を祈る)において、担当の阿闍梨(密教の高僧)が武士を集めて警護させるようになったのは、
後七日の阿闍梨、武者を集むること、
いつの頃からか、盗賊に入られたことがあって以来、
いつとかや、盗人にあひにけるより、
宿直ということで、このように物々しくなってしまったということです。
宿直人とて、かくことことしくなりにけり。
一年の吉凶は、この御修法がどのように行われるかに現れると言いますから、
一年の相は、この修中のありさまにこそ見ゆなれば、
武力を用いるというのは、穏やかではないことです。
兵を用ゐんこと、穏ならぬことなり。
📚古文全文
後七日の阿闍梨、武者を集むること、いつとかや、盗人にあひにけるより、宿直人とて、かくことことしくなりにけり。
一年の相は、この修中のありさまにこそ見ゆなれば、兵を用ゐんこと、穏ならぬことなり。