真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
ポイント
歌物語で肝心の和歌の出来が悪いのは残念だ。よく知らないことを語るのは、聞いていて恥ずかしく、聞き苦しい。

🌙現代語対訳
和歌の話題を、人が語り始めたとき、
人の語り出でたる歌物語の、
その和歌の出来が悪いのは、本当にがっかりさせられます。
歌の悪きこそ本意なけれ。
和歌の道を少し知っている人であれば、
少しその道知らん人は、
そんな和歌を素晴らしいと思って語ることはないでしょう。
いみじと思ひては語らじ。
全く知らないことについて物を語る人がいます。
すべていとも知らぬ道の物語したる。
こちらが恥ずかしくなり、聞き苦しいものです。
かたはらいたく、聞きにくし。
📚古文全文
人の語り出でたる歌物語の、歌の悪きこそ本意なけれ。
少しその道知らん人は、いみじと思ひては語らじ。すべていとも知らぬ道の物語したる。かたはらいたく、聞きにくし。