古文で読みたい

古典を読みたい人が、古典にアクセスするための本です

徒然草040|因幡国に、何の入道とかやいふ者の娘・・・

真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。

ポイント

因幡国の美人は栗しか食べない変わった娘だったため、父親は「異様な者」として誰との結婚も許さなかったという逸話。

徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース

🌙現代語対訳

因幡国に、誰それという入道の娘がいました。

因幡国いなばのくにに、なに入道にふだうとかやいふものむすめ

この娘は大変な美人だと評判で、多くの男性が次々と言い寄ってきたけれども、

かたちしときて、ひとあまたひわたりけれども、

この娘は、ただ栗だけを食べて、

このむすめ、ただくりをのみひて、

お米の類を一切口にしなかったので、

さらによねたぐひはざりければ、

「このような変わった者は、人に嫁ぐべきではない」と言って、

「かかる異様ことやうものひとまみゆべきにあらず」とて、

親は結婚を許さなかったのでした。

おやゆるさざりけり。

📚古文全文

因幡国いなばのくにに、なに入道にふだうとかやいふものむすめかたちしときて、ひとあまたひわたりけれども、このむすめ、ただくりをのみひて、さらによねたぐひはざりければ、「かかる異様ことやうものひとまみゆべきにあらず」とて、おやゆるさざりけり。