古文で読みたい

古典を読みたい人が、古典にアクセスするための本です

徒然草028|諒闇の年ばかり、あはれなることはあらじ・・・

真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。

💭ポイント

天皇が喪に服す諒闇(りょうあん)の年は、御所も人々の装束も普段と異なり、その様子は実に厳かで心打たれるものである。

徒然草絵抄』(小泉吉永所蔵) 出典: 国書データベース

🌙現代語対訳

一年間、服喪される諒闇(りょうあん)の年ほど、心打たれるものはないでしょう。

諒闇りょうあんとしばかり、あはれなることはあらじ。

服喪中お過ごしになる倚廬(いろ)と呼ばれる簡素な御所の様子は、

倚廬いろ御所ごしょのさまなど、

床は板敷のままで、質素なアシのすだれを掛けて、

板敷いたじきげ、あし御簾みすをかけて、

すだれの上を飾る布(帽額)も荒々しい作りです。

ぬの帽額もかうあらあらしく、

調度品も質素なものばかりです。

御調度おんちょうどどもおろそかに、

そして、そこに仕える人々の服装や、太刀や、太刀を着けるための帯に至るまで、

皆人みなひと装束そうぞく太刀たち平緒ひらおまで、

特別な形式に変わり、その有様は、実にすばらしいものです。

ことやうなるぞゆゆしき。

📚古文全文

諒闇りょうあんとしばかり、あはれなることはあらじ。
倚廬いろ御所ごしょのさまなど、板敷いたじきげ、あし御簾みすをかけて、ぬの帽額もかうあらあらしく、御調度おんちょうどどもおろそかに、皆人みなひと装束そうぞく太刀たち平緒ひらおまで、ことやうなるぞゆゆしき。