真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
💭ポイント
天皇が喪に服す諒闇(りょうあん)の年は、御所も人々の装束も普段と異なり、その様子は実に厳かで心打たれるものである。

🌙現代語対訳
一年間、服喪される諒闇(りょうあん)の年ほど、心打たれるものはないでしょう。
諒闇の年ばかり、あはれなることはあらじ。
服喪中お過ごしになる倚廬(いろ)と呼ばれる簡素な御所の様子は、
倚廬の御所のさまなど、
床は板敷のままで、質素なアシのすだれを掛けて、
板敷を下げ、葦の御簾をかけて、
すだれの上を飾る布(帽額)も荒々しい作りです。
布の帽額あらあらしく、
調度品も質素なものばかりです。
御調度どもおろそかに、
そして、そこに仕える人々の服装や、太刀や、太刀を着けるための帯に至るまで、
皆人の装束・太刀・平緒まで、
特別な形式に変わり、その有様は、実にすばらしいものです。
ことやうなるぞゆゆしき。
📚古文全文
諒闇の年ばかり、あはれなることはあらじ。
倚廬の御所のさまなど、板敷を下げ、葦の御簾をかけて、布の帽額あらあらしく、御調度どもおろそかに、皆人の装束・太刀・平緒まで、ことやうなるぞゆゆしき。