真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
💭ポイント
不幸から衝動的に出家するのではなく、静かに隠遁生活を送るのが望ましい。その中で見る月もまた、格別の趣があるだろう。

🌙現代語対訳
不幸や悲しみに沈んだ人が、
不幸に愁へに沈める人の、
出家などを、浅はかな考えで衝動的に決めてしまうのではなく、
頭おろしなど、ふつつかに思ひ取りたるにはあらで、
生きているかどうかも分からないほどひっそりと門を閉ざし、
あるかなきかに門さしこめて、
俗世との関わりを断って静かに日々を過ごしている、
待つこともなく明かし暮らしたる、
そのようなあり方は理想的です。
さるかたにあらまほし。
顕基中納言が「流罪になって見る月」とおっしゃったそうですが、
顕基中納言の言ひけん、配所の月
罪を犯したわけでもないのに(隠遁生活の中で)見る月も、きっと同じように素晴らしいものに違いありません。
罪なくて見んこと、さも思えぬべし。
📚古文全文
不幸に愁へに沈める人の、頭おろしなど、ふつつかに思ひ取りたるにはあらで、あるかなきかに門さしこめて、待つこともなく明かし暮らしたる、さるかたにあらまほし。
顕基中納言の言ひけん、配所の月罪なくて見んこと、さも思えぬべし。