真の古典の魅力は、作者が紡いだ原文の中にこそ息づいています。「古文で読みたい徒然草シリーズ」で、現代語と古文を併読することで、古の言葉が今なお放つ光を確かめてください。
💭ポイント
この序段は、作者である兼好法師がどのような動機で『徒然草』を書き始めたかを示す、いわば宣言のような部分です。「退屈しのぎ」という気負いのない執筆姿勢で、心に浮かんだことを書き記していくというスタイルは、これから続く二百数十段の随筆への導入として、興味を引きつけます。

🌙現代語対訳
することがなくて退屈なのにまかせて、
つれづれなるままに、
一日中、硯(すずり)に向かって、
日暮らし、硯に向ひて、
心に浮かんでは消えていくたわいもないことを、
心にうつりゆくよしなしごとを、
とりとめもなく書きつけていると、
そこはかとなく書き付くれば、
不思議なことに、
あやしうこそ、
気分がおかしくなっていくようだ。
ものぐるほしけれ。
📚古文全文
つれづれなるままに、日暮らし、硯に向ひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ、ものぐるほしけれ。